○ トンネルに居るかのようなモヤモヤした不安ほど、怖く感じるということはないでしょうか?
なんだか不安に囚われたり、はたして自分に出来るのか…と心配に思えてしまったり、誰かと比べて自信がぐらついてしまったり、ネガティブレビューされるのが怖い、初めてのことで…等々、メンタルブレーキが発生してくることは私にもあります。
そういうときって不安は付き物(憑き物)と思いつつ、進むためには必要な変化を「分かっている(つもり)…だけど出来ない。どうにも腰が重い」…と、もどかしい状態ですよね。
(思考の整理について考えたりリサーチをしていたら『1分で仕事を片づける技術』(著:鈴木進介/出版:あさ出版)など分かりやすく参考になる書籍は色々と出てきますので、気になる方は目を通されてみても良いのではないかと思います。)
腰が重く「モチベーションが」云々と言いながら堂々巡りの時間が長引くほどに、目先のことに思考が取られて熱量も下がってきたりして…。
私はモチベーションだけで仕事をするわけではないので、モチベーション頼りにするのにも落とし穴があるとも思ってしまいます。もちろん、責任感は大事ですが、ここで言いたいのは義務感からということでもありません。
起業家でしたら、そこはもっと根本的な、それをなぜ(Why)するかの想い次第なのだと言えますが、このことは後半で触れていきます。
根源的な想いがあれば、何かで疲れてそこから離れようとしても、どうにも離れられないものです。
なぜ(Why)するのかという想いは、いわば=自分です。自分ですから離れられないというものです。
そのような根源的な想いからモチベーションは自然に湧いてくるのだと思いますが、それでも煮詰まる時はありますよね。
そうして熱量が下がったし、「あっちのほうがいいかも」と渡り鳥のような心境になることは、さすがに私はないとしても…目移りするときはあります。
そんな時は、もしかして、どこか夢見る夢子ちゃんになりつつあるのでは…それだけはならないように注意しようと、ふと思ったり…。
もしくは「もう、よく分からないから…」と据え置きにしたまま、目先の通常業務ばかりを現状維持で続けていたりなど、そのようなケースも今まで内外で見かけることがありました。
そういうときって「堂々巡りよりで前に進まないよりも、前進できるルーティンにしたい」と思うほどに、どこか内心で落ち込みも…。
そういえば、ちゃんと悩んでいるなら素晴らしいという言葉もありました。
それは心が解決策を求めているから。
かつ、単に求めているばかりではなくて、その先の具体性が大事なのは誰もが感じることかと思います。
具体性が大事ですが心が煮詰まっているときに、あまりに強引に無理して動きすぎると焼き切れて、しまいにはバーンアウトすることがあるのも人間ですから、立ち止まることだって、とてもとても大事です。
よく私も、ふっと湧き出てくる不安などで手や足が止まることもありますが、そんなときは無理に動かず一歩、立ち止まることを優先します。
不安を感じることには何か意味があって、それは大切なシグナルだったりします。
もし、何かの違和感やノイズにまみれて来ているなら、ノイズも整理しないと心の声が聴こえなくなりますし、心とリンクして動けなくなります。
背中を叩いて強引に無理すれば動けるかもしれませんが、無理すると軋みが出たり歪んだりすると非効率になったり、効果は下がっていきます。
何かの不安を解消させるために突き動かされるように動くのもいいですが、そこで軋んだりズレていきそうなときは、じっと立ち止まり、振り返って湧き出てくるものを見つめながら細分化して書き出していきます。
この後では書き出していく際の視点について触れていきますが、その前に「反省」って何でしょう?
ここを知らずに行くと、ただ反省文をズラズラと書き出していても、それで前に進めるかと言えば、そうではないんですよね。
反省にも「良い反省」と「悪い反省」がありますが、良い反省とは具体的に行動変容に繋がる反省であり、それは自分を責める堂々巡りに逃げることではありません。
もし「あぁ~、私ってダメだな…」と自分を責めていたら、どれだけ行動を変えようと思っていても、そこに心が囚われている以上、また同じ行動をする自分にはまりがちになります。
行動のブラッシュアップに繋げるには、反省というより振り返り、見直しとも言えます。
「振り返り」はカウンセラー育成の講座や見直しの現場などで、よく使われる言葉です。
そこでは自分を責めるのが目的ではなくて、自らを受容して寄り添いつつ、その先に行くためのプロセスと捉える進め方です。
その先に行くため心の癖を変えていくには後述でもふれますが、習慣化というのは思いの外、自らを引き上げていくパワーがあります。そして、戻りにくいという持続性もあるものです。
ここでは外圧による強引な自己変容よりも、内的なところからの自己変容のスタンスから記しています。
○ セルフトークによる棚卸し
煮詰まった時は立ち止まって思考を整理していくわけですが、その前に心を整理するために書き出すセルフトークについてです。
思考の前に、心の動きがあるからです。心の動きがあって、それから思考の動きがあります。
わざわざ書き出すという行為をするのは、頭の中だけで考えていたら堂々巡りになりやすいところを、書き出すことによって客観視していける働きもあるからです。
見晴らしの良くない風景の所に、いつまでも居続けるのは不安を感じます。
トンネルの中にいつまでもいたら閉塞感で息苦しくなって、ストレスも過剰になっていきませんか?
ところが見晴らしが良くて爽やかな風が吹くような場所に移れば、気持ちはどう変わるでしょうか?
たとえ抱えているものが変わらないとしても、そうして俯瞰できていくほどに気持ちは違うはずです。
そのために書き出すという行為をします。
書き出すことは慣れていないと、一見、効率が悪く思えるかもしれませんが、急がば回れで、書き出すほうが頭の中だけで考えるより、ずっと早く済むというメリットもあります。
デメリットとしては手を動かさないとならないですし、場合によっては一人ではなかなか進まないということもあるかもしれません。
そこでセルフトークはセルフ傾聴でもあるので、なんちゃってではない傾聴のスキルを知っていくと進めやすくなりますが、まずは読み進めていただければ散りばめてある言葉から、なんとなくでもコツが視えてくるのではないかと思います。
(実は傾聴については巷で言われているより、ずっと奥の深いものですので別の機会で触れられればと思います。)
セルフトークのやり方は私の場合、白紙のノートやマインドマップソフトを使いますが、人により使いやすいものでいいと思います。
私はノートなどはクラウドのサービスを活用していて、パソコンからだけではなく、スマートフォンからでも同じアカウントで使えるようにしています。
ここでの目的は思考を客観視して見渡すこと・整理することなので、やり方の卓越さにこだわるところではなく、何でもいいから精査せず思うまま書き出す棚卸しにあります。
人によって手書きが良ければ手書きでもいいと思います。
自らに寄り添う気持ちで良い悪いを判別せず、清濁併せ呑んで書き出します。
棚卸しですので、ここでは格好を付ける必要もありません。
誰かに見せるものでもないので安心して書き綴ってみます。
ある程度、ズラズラと書き出したら、それだけでもカタルシスを感じ始めるかもしれませんが、書き出して満足するのではなく使えるようにしなければなりません。
そこでもっと楽になるために、大中小のカテゴリーに整理・仕分けしていきます。
棚卸ししてカテゴリーに仕分けしていくことで、何がボトルネックなのかが視えてくるのではないでしょうか?
そのボトルネックに対する最善の方向性を原理原則に照らし合わせながら、私は考えます。
原理原則に照らし合わせながら方向性を考えたところで、すぐに最善の対応方法が浮かぶとも限りません。
そもそも、そんなすぐに最善の対応方法が浮かぶなら、課題・問題にはなっていないでしょう。
すぐには分からないからこそ細分化しながら、「ここで出来る小さな一歩(ベイビーステップ)は、何があるだろうか?」と考えます。
小さな一歩は何がありますか?とはコーチングでも使われる質問テクニックですが、ここはセルフコーチングと思ってもいいでしょう。
無理のない一歩が、小さい一歩です。そこまで噛み砕くことで小さい一歩が段々と見えてきます。
次に触れるユニ・チャームの高原社長は、必ず思考を整える時間を設けているそうですが、ノイズからの囚われから自由になるためにも、そうした一人で考える時間というのは不可欠だと思います。
○ ベイビーステップ
ベイビーステップですから、最大限、負担を低く小さくしたものです。
まるで断崖絶壁でしたら登るのに途方に暮れてしまうので、登りやすい階段にしていって心理的ハードルを下げていくんですね。
ここは、なんてことないと思えるような凡事でもいいです。
凡事を舐めてはいけない参考としてユニ・チャームの高原社長は「凡事徹底が非凡を生む。何でも一万回やれば超一流になれる。目標意識を持って、何事でも3ヶ月続ければ、それが習慣になる。習慣になれば、後は楽に目標達成できる」とも述べています。
(詳しく知りたい方は書籍『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』(著:高原 豪久/出版:ダイヤモンド社)に記されています。)
つまり、壮大なことは置いておいて、気合や根性を入れなくても進める小さなステップにしてしまうわけです。
人によっては拍子抜けしてしまうかもしれませんが、小さい達成感でミニマムな成功習慣を積み上げていくことが継続力の礎にもなっていきます。
Facebookの元幹部のランディ・ザッカーパーク(創業者の姉)女史が提唱されている「ピックスリー」というのも有名ですが、ここまでの人でもこのように考えるのか、いや、このように考えるからここまで来れるのかと思ったりしました。
すべてをパーフェクトなどにしようと囚われず、もっとも重要な項目3つのみにフォーカスして、無理をしない自分にマッチした姿勢で…です。
そうなると、どこに重点をおいて時間配分していくかも変わっていきます。
(詳しくは書籍『ピックスリー: 完璧なアンバランスのすすめ』著:ランディ・ザッカーバーグ、翻訳: 三輪 美矢子 /出版 : 東洋経済新報社)を読まれても良いかと思います。)
私のやり方としては重要な3つにフォーカスして「~出来て良かった」を得るようにして、そのハイライトを毎日、簡単に入力できるシートを付けています。
これは所属している団体から提供されたフレーム、シートですが、毎日、サクサクと続けることで、自らを肯定してあげる習慣付けにもなるという効用もあります。
これは思うより慣れろの世界ですので、まずは考えながら手を動かして考えて、ミニマムに動くと楽になっていくと思います。単純に、するかしないか、だけです。
人は習慣の奴隷と言われます。
大きなことばかり考えようとしても習慣には逆らえないので、まず習慣から作り替えていくということです。
その習慣を心地よくステップアップさせていくフレームシートや手順も、私は得ていますのでそれを続けています。
そこでは無理なく目標を設定してPDCAをサイクリングさせて行けるようにもなっていますし、全体を俯瞰してチェックしやすいように無駄を削ぎ落としてブラッシュアップされています。
時間管理については、個人ブログのこちらの過去記事でも徒然に触れてきたことがあります。
世界的ベストセラーで様々なバージョンが出されている『7つの習慣』でも言われているように、やはり、「緊急ではないが最重要なことを優先する」ことで、人生が根本から変わってくる実感があります。
次回の記事では『スーパーマンではないけれど進んでいく』としてルーティンや目的の意味・価値に向けて進むということなどについて、徒然に触れていきます。