コンサルタントやコーチ、カウンセラーにとって集客も大事ですし、スキルアップにばかり視点がいく方たちに向けて「集客できなければ意味がない」として、随分と強く集客コンサルティングを勧める人たちも多いですね。
確かに自分の専門性に沿ったスキルアップばかりでは食べていけなくなるので集客は大事なんですけど、そればかり強く前面に出ていると、私も集客支援をしているとは言え、とても違和感を感じます。
質の良いサービスの提供さえしていれば…黙っていても口コミだけで顧客がやってくる…ということはないので集客努力は欠かせないものですが…
集客が一番になってしまったら、どうなりますか…?
クライアントを獲得しているのに、もし、一番に考えているのが集客で、次のクライアント獲得のことばかり寝ても覚めても考えて、時間や労力のリソースも最もそこにかけているとしたら…。
そんな人に大切なお金を払って依頼したいと、私なら思えません…。
そこではなく、やはり、一番大事なのは自らの資質やサービスクオリティを上げ続けていくことです。
それがクライアント利益に繋がり、コンサルタントやコーチ、カウンセラー自身の利益も繋がっていくのはもちろん、高い継続率や紹介率にも繋がっていくというのが基本原則です。
クライアントの望む成功や行きたいところへのナビゲーションを熟望して切磋琢磨を続けるからこそ、実力以上に柔軟な改善・拡充による成長へのブラッシュアップも込みで信用されるのではないでしょうか。
まず、それが先にあって、集客は次の自助努力の分野だと思います。
質の向上を図らないのをごまかすために集客手法があるのではありません。
もし、質の良し悪しに関係なく売るためのスキルばかりに走るとしたら、それは悪徳商法の考え方と同じになってしまうのではないでしょうか…。
仮に悪徳業者のほうが売ることに長けているとしても、です。
私たちは良い商品やサービスを扱っている事業主さんだからこそ、その人の良さにかまけず、必要な人に届けられるように努めたいわけです。
大切なのは、ソウルフル。
ソウルフルとは「心が籠もっていること。心から湧き出る力のこと」を言います。
自らに課した倫理的、または個人的な基準に従って、常に上を目指してブラッシュアップする人のことで、そのような人は周りの人たちをやる気にさせて、周囲が通常の限界を超えられるようにしていきます。
それ故にソウルフルには自ずと説得力が備わったり、インスピレーションの源泉となって周りに刺激を与えて、結果として非言語で惹きつける引力が強まって、自然に影響力を発揮できるようになっていきます。
もし、あなたの矢が射っても売っても届かないなら…それは何故か、根本から見つめ直したほうが近道かもしれません。
あなたが売りたいと思っているビジネスに対して、お金儲け以外の想いは、どこまでありますか?
「あろうとなかろうと私の勝手」…そりゃ、そうかもしれませんが、本当に売れる広告を支援する場合は、利益もさることながら、お金儲け以外の想いが当事者に明確にないと、売れません。
もし、手練手管を使えば一時的に売れるようにすることはできたとしても、それは前述したような土台が伴っていなければ砂上の楼閣のようなもので継続しません。
すこし立ち止まってみて、よく考えれば、すぐにお分かりいただけるかと思えるところです。
繰り返しになりますが、お金儲けばかりを考えて顧客のことを親身に考えていないのは、必ず、見透かされます。
見透かされたら、よほどの人間関係がないと終わりだと思ってください。
そうなると誰も、あなたのところから買い続けねばならない理由はないのです。
なぜならば、同様の商品・サービスは競合他社でカンタンに見つかりますし、他社のほうが販売条件が良く、ホスピタリティにも優れている場合も少なくないからです。
「いやいや、私が提供しているものはダントツだよ」
「放っておいても、口コミで売れるから」
仮に実際にそうであっても、やっぱり、お金儲けだけを考えて、対人間であること、他人様や社会の役に立とうという熱い想いが根底になければ、いずれ負けます。
私は1999年に起業しましたが、そのようなケースを山ほど観てきました。
一言で言えば、ホスピタリティや商品・サービス力以外の顧客満足で負けます。
商品・サービス以外とは接客かもしれませんし、前述した以外の項目でも販売方法や提示の仕方、もしくは配達時の同封物や連絡などの…ささいな違いが印象面で大きな違いへと結びついていくのです。
これはお客様に対してだけに限らず、ビジネス提携においては、もっとシビアかもしれません。
相手が判断しやすい、動きやすい提携案の持ちかけ方をしていますか?
そのための下調べを、どこまで行い心を砕いて考え抜いていますか?
相手の心のトリガーとシンクロしやすいスキームを練っていますか?
このご時世だからこそ、浪花節は大切と思いますが、しかし、このご時世だからこそ、とことん可能な限りまで考え尽くしアクションに移さねば浪花節は成り立たないのです。
慣れ合いを求めては先がなくて、その根底となるのが事業者としての理念やビジョン・ミッションに繋がる内面から湧き上がるパッションです。
理念もビジョンもミッションも飾り文句などではなく、事業者としての社会的存在意義を明確に意識せねばならないということであり、それはお金儲けなど超えたところにあるマインドです。
パッションとは、ラテン語で「苦しみ、我慢」を意味しますが、人生をかけられるほど愛する対象に向けられるもののことです。
パッションは不安や苦しみを消してくれる魔法の杖ではないにしても、苦しくても楽しめるものにしてくれますし、そもそも魔法の杖なんてないですからね。
世間では魔法の杖思考をあおるキャッチコピーが多いとしても、それは魔法の杖ではないのですから。
それと「好きだからする」というのはパッションの1つの側面でしかなくて、どこに向かっていくか、どうなりたいかなど現実的なパッションのほうが重要です。
パッションが自分軸を大事にした上での利他的で本物に近ければ近いほど、広告アプローチにおいても精査を重ねられるものとなり、売れる広告の実現となっていくわけです。
それが強ければ強いほど深ければ深いほど、その商品・サービス力も磨かれていく可能性が上がりますし、付随するケアやアプローチ力も上がっていく可能性へと繋がります。
想いが弱ければ、もしくは即物的な匂いが強ければ、そこで停滞するのではないでしょうか。
偽物は、結局、まぐれのような瞬間最大風速を別にして、売れ続けることはないでしょう。
人は感情で判断する…この原則を忘れてはならないのです。