ソフトバンクとエリクソン、AI外部制御によるMassive MIMO基地局のカバレッジ最適化システムを導入

導入の背景と課題

大規模イベント施設やテーマパークでは、通常時とイベント開催時で利用者のトラフィック分布が大きく変動します。このようなトラフィックの偏りや変化に柔軟に対応するためには、基地局の制御が不可欠です。特に、天候による中止や開始時刻の変更、特定エリアの入場制限などが生じるイベントでは、あらかじめ時間帯を指定してカバレッジパターンを変更する従来のシステムでは、適切な対応が困難な場合がありました。このため、状況に応じてカバレッジパターンを自動で制御・最適化できるソリューションが求められていました。ソフトバンクとエリクソンは、これらの課題に対応するため、AIを活用した基地局外部制御によるトラフィック自動最適化に関する検証を重ねてきました。

AI活用システムの概要

本システムは、外部制御装置(サーバー)が基地局から1分間隔で取得する利用者分布データを基に、AIがイベント発生状況を自動で判定します。この判定に基づき、Massive MIMO基地局の水平面および垂直面のカバレッジパターンを動的に自動で最適化します。

Massive MIMO基地局外部 制御装置 AI

大阪・関西万博での実証成果

2025年の大阪・関西万博では、会場内の屋外エリアに設置されたMassive MIMO対応基地局に本システムが適用され、実証が行われました。

実証では、複数のカバレッジパターン変更時のパフォーマンス結果を教師データとしてAIモデルが構築されました。外部制御装置は、Massive MIMOのビーム推定情報などの利用者分布関連データを1分間隔で基地局から取得し、イベントの発生状況を自動で判断して、基地局のカバレッジパターンを最適な構成へ切り替えました。

この結果、イベント開催時におけるエリア全体の5G(第5世代移動通信システム)利用者の下りスループットが、約24%改善(76.9Mbpsから95.5Mbpsへ)することが確認されました。これにより、急激なトラフィック変動に伴って発生しやすい輻輳によるデータ送受信の停滞現象(「パケ止まり」)の回避に寄与しました。

なお、2023年9月には、基地局外部制御によるトラフィック自動最適化の実証に成功しています。詳細は以下のソフトバンクのプレスリリースで確認できます。
ソフトバンクとエリクソン・ジャパン、基地局外部からの制御による5Gネットワークの高速自動最適化の実証に成功

各社の役割と今後の展望

本システムの導入において、ソフトバンクはユースケースの検討および実証評価を担当し、エリクソン・ジャパンは本システムの提供を行いました。

ソフトバンクとエリクソンは、今後も本システムの導入拡大を積極的に推進していく方針です。エリクソンに関する詳細情報は、以下の公式サイトで確認できます。
www.ericsson.com