リクエスト株式会社、「優れた人的資本経営の定義」レポートを全文公開 – AI時代における「判断が育つ仕事の設計」の重要性を提示

リクエスト株式会社、「優れた人的資本経営の定義」レポートを全文公開

AI時代における「判断が育つ仕事の設計」の重要性を提示

2026年4月11日、組織行動科学®のリクエスト株式会社は、レポート「優れた人的資本経営の定義 ― なぜ、優れた人的資本経営は『判断が育つ仕事の設計』に行き着くのか?」を全文公開しました。本レポートは、33.8万人・980社の分析と実務支援に基づき、AI時代に人的資本経営を機能させるための鍵を全29ページ・約29,500文字で整理しています。

人的資本経営の進展と現場の課題

近年、人的資本開示の広がりやリスキリング、1on1、エンゲージメント向上といった取り組みが多くの企業で定着しつつあります。しかし、学習機会が増えても、現場では「任せられる人が増えない」「少し条件が変わると仕事が止まる」「難しい仕事が常に同じ人に集まる」といった違和感が残っていると指摘されています。本レポートは、これらの違和感を精神論ではなく、仕事構造の問題として捉え直しています。

レポートでは、人的資本開示対象企業の多くが「優れた人的資本経営」の水準には到達していない現状を明らかにしています。これは、企業が働き方改革、効率化、標準化、IT化、ジョブ型整理、人的資本開示への対応を誠実に進めてきた結果、仕事が前例型に傾き、現場に判断が育つ経験が残りにくくなったためと分析されています。

データが示す「判断経験の減少」

33.8万人・980社を対象とした業務経験データの分析によると、企業の82%で仕事の中の判断経験が減少し、58%で上司確認頻度が増加、64%で前例依存度が上昇していることが判明しました。これは、判断の必要性そのものが低下したわけではなく、顧客差、案件差、現場差、関係者差を踏まえて進め方を変える必要がある仕事が依然として多く存在するにもかかわらず、仕事の進め方が前例確認や上司確認に戻りやすくなっている状況を示しています。これが、人的資本経営が進んでも現場で育成実感が弱い理由であると説明されています。

「施策の不足」から「仕事設計の不足」へ

本レポートは、この課題の根源を「施策の不足」ではなく、「仕事設計の不足」に見出しています。制度を整えたり、研修を増やしたり、学習機会を充実させることは重要ですが、それだけでは事業の中で人が育ち、判断できる人が増え、組織の対応能力が高まるまでには届きにくいと提唱しています。人的資本経営を真に機能させるためには、人に残る判断が仕事の中で育ち、蓄積され、組織の力へ変わるように、仕事そのものを設計する必要があるとしています。

AI時代における「優れた人的資本経営」の定義

レポートでは、優れた人的資本経営を以下のように定義しています。

AIで代替できる仕事と、人に残る判断の仕事を切り分けた上で、人に残る判断が育つように、仕事・経験・振り返りを設計し、個人の中にある判断を組織の力へ変えていく経営。

AI時代において人に残る中核は、単なる知識そのものではなく、知識や事実を踏まえて、何を確認し、何を重視し、どう進めるかを決める「判断」であると整理されています。生成AIの普及により、知識検索、情報整理、要約、既存事例の参照、定型的な処理はさらに代替されやすくなります。一方で、顧客差、案件差、現場差、関係者差を踏まえて進め方そのものを変えなければならない仕事は、依然として人が担う必要があります。

そのため、人的資本経営の次の論点は「何を学ばせるか」ではなく、「人に残る判断が仕事の中で育つように設計されているか」に移ると本レポートは明確に示しています。

具体的な着手点

本レポートは、この転換点において企業が着手すべき三つの点を整理しています。

  • 自社の仕事を、手順で進める仕事と、条件差に応じた判断が残る仕事に分けること

  • 判断が残る仕事について、誰が何を判断しているかを見える化すること

  • その判断に必要な事実確認、任せ方、振り返り方を設計対象として定めること

これらを定めない限り、人的資本経営は開示や制度整備としては進んでも、事業の中で人が育ち、判断できる人が増え、組織の対応能力が高まるところまでは進みにくいと指摘しています。

レポートの概要と対象者

本レポートは総論だけでなく各論編も収録しており、「なぜ人的資本経営が進んでいるにもかかわらず、現場ではなお『人が育った感じがしない』のか?」「なぜ研修を増やしても『判断できる人材』が増えないのか?」といった具体的な問いにも答えています。人的資本経営を「施策の話」で終わらせず、「事業の中で判断が育つ仕事設計の話」へ進めたい経営者や担当者に有益な内容です。

レポート名:優れた人的資本経営の定義 ― なぜ、優れた人的資本経営は「判断が育つ仕事の設計」に行き着くのか?
発行:リクエスト株式会社 判断デザインラボラトリー
体裁:全29ページ、約29,500文字

リクエスト株式会社について

リクエスト株式会社は「より善くを目的に」を掲げ、980社・33.8万人の働く人のデータに基づいた組織行動科学®を基盤に、組織における思考と行動が「なぜ起こり」「なぜ続くのか」を事業環境と経験から解明し、より善く再現する支援を行っています。

リクエスト株式会社の企業理念

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