リディラバジャーナル、子どもの体験格差に関する特集を開始――“自立の問題”として捉え直し
特集の目的と概要
この特集は、「海外旅行に行けるか否か」といった消費的な体験の有無ではなく、「自立する力を育む機会に生じている格差」として体験格差を扱っています。行政や子ども・若者を支援する団体への取材、およびデータ調査を通じて、体験格差は子どもを取り巻く大人の余裕が欠如した結果生じている事象であることが明らかになりました。これらの大人たちが支えてきた体験機会が減少することにより、成長機会の喪失につながり、ひきこもりや就労困難といった若者の自立にも影響していることが判明しています。
特集記事はこちらから読むことができます:
https://journal.ridilover.jp/topics/f7c52bfacf66
取材・調査から見えてきた背景と課題
本特集では、以下の5つのポイントが体験格差の背景と課題として挙げられています。
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体験は、自立するための成長機会となっている
子どもは体験を通して人やものと関わり、知識や力を育みます。特に熱中する体験や一歩踏み出す体験は、子どもが自分の意思で判断し、主体的に行動する力を獲得する成長機会となります。体験機会が減少すると、こうした知識や力を育む機会が失われ、他者依存や生活上の困難といった自立の問題につながる可能性が高まります。 -
体験格差は保護者だけの責任ではない
かつては多様な大人が子どもに関わっていましたが、現代では地域活動に関わる人の不足、子どもと関わることによるリスク回避傾向、教員の多忙化解消を目的とした学校行事の削減などにより、社会全体で子どもを育む体験を提供するインフラの機能が低下しています。体験格差は、こうした子どもに関わる大人の減少や、その大人が抱える余裕の欠如によって引き起こされる問題です。 -
保護者に重くのしかかる「時間とお金」の負担
体験を提供するインフラの機能が低下した結果、体験提供の役割が保護者へと集中しています。実質賃金が伸び悩む中で教育費の負担は増え続け、情報の収集や送迎といった見えないコストが、保護者の時間、経済的、精神的な余裕を奪っています。 -
体験格差を助長する、困難を抱える家庭における「欠如の連鎖」
貧困などの困難を抱える家庭では、経済的・時間的な余裕のなさが連鎖し、さらに精神的な余裕も欠如します。その結果、子どもへ体験を提供する余裕がなくなり、子どもは多様な価値観に出会う機会を失ってしまいます。これにより、将来の選択肢が狭まったり、他者との関係構築が困難になったりする状況に子どもは追い込まれていきます。 -
体験格差が招く「少子化」と「格差の固定化」
社会から余裕が失われ、体験提供をはじめとする子育ての負担が保護者に一極集中している構造そのものが、「お金や時間が十分にないと子育てができない」という認識を広げ、若年層の子育て忌避や少子化を加速させています。さらに、家庭の余裕の有無で子どもの体験機会が左右される構造は、将来の選択肢や自立する力を奪い、親から子へと機会の欠如が受け継がれる「格差の固定化」という深刻な社会リスクを招いています。
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https://journal.ridilover.jp/topics/f7c52bfacf66
特集の構成
本特集は以下の構成で、子どもの体験格差を多角的に掘り下げます。
第1章:子どもの体験が成長や自立に必要となる背景
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第1回:成長からひもとく体験の重要性。「人やものとの関わりから学ぶ」メカニズムとは――
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第2回:体験が育む「自立するための力」――自分の人生を自分で切り開くために必要なものとは
第2章:子どもの体験機会が減少している構造
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第3回:子どもの体験を支える土台の崩壊――学校・地域・行政が抱える“余裕のなさ”とは
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第4回:時間とお金の余裕を失った保護者の苦悩――かかる重圧、「親なんだから」という呪い
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第5回:余裕の無さが生む欠如の連鎖――困難な状況にある家庭で体験機会がさらに減る構造
第3章:体験機会の減少が子どもの自立・社会に影響を与える構造
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第6回:子ども・若者を支援する団体が見た経験喪失の現実――体験で喪失を埋めようとする実態とは
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第7回:体験は“買う”時代――親と学校に子育てを丸投げした社会が行き着く格差の固定化と少子化
特集トップページはこちらからご覧いただけます。
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体験格差解消に向けた動き
リディラバでは、体験格差の解消に向けた2つのプロジェクトを実施しています。
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戦時下のウクライナ高校生招へいプロジェクトへの伴走
リディラバは、戦時下でも日本語を学び続けるウクライナの高校生を日本に招く短期留学プログラムに対し、企画・資金の両面から伴走しています。これは、戦時下にあることで様々な体験機会を奪われている状況も「体験格差」と捉え、その解消に取り組むものです。 -
体験プログラム実施に向けたクラウドファンディングの実施
リディラバが事務局を務める「NPO法人 子どもの体験格差解消プロジェクト」は、体験プログラム実施のためのクラウドファンディングを、2026年7月7日(火)から9月30日(水)までREADYFORにて実施します。このプロジェクトは2022年の活動開始から4年間で延べ400名以上の子どもたちに体験を届けており、NPO法人設立後初のクラウドファンディングとなります。
リディラバジャーナルとは
リディラバジャーナルは、社会課題に特化したサブスクリプション型のWebメディアです。社会問題の現場に足を運んできたリディラバの知見をもとに、ニュースの背景にある構造まで踏み込んで伝えることを目指しています。「構造化特集」は、一つの社会課題を複数本の記事で掘り下げ、問題の背景、関わる主体、解決の難しさや可能性までを整理して伝える連載企画です。
株式会社Ridiloverについて
株式会社Ridiloverは「社会の無関心の打破」を理念として、2009年に設立、後に法人化されました。現在は教育旅行事業、企業研修事業、メディア・コミュニティ事業の他、社会課題解決に向けた資源投入を行う事業開発・政策立案事業も手掛けています。設立以来16年間で、400種類以上の社会課題を各事業において扱ってきました。
<会社概要>
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社名:株式会社Ridilover
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設立:2013年
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所在:東京都文京区本郷3-9-1 井口ビル2階


