卸売・小売業の新入社員、キャリア志向は「今後決めたい」が過去最高の30.6%、「管理職志向」は低下傾向
調査結果の概要
1. キャリア志向:「今後決めたい」が初のトップ
卸売業・小売業の新入社員において、将来会社で担いたい役割として最も多かった回答は「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」で30.6%でした。これは8年間で初めてのトップとなり、昨年度から6.2ポイント増加しています。一方、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」は27.0%で、4年前の2022年度から徐々に減少しており、過去最低の割合を記録しました。
他業種と比較すると、卸売業・小売業では「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」が8.8ポイント高く、「専門性を極め、スペシャリストとしての道を進みたい(専門職)」は14.9ポイント低い結果となりました。


2. リーダーに対するイメージ像:ポジティブな回答が他業種より高い傾向
リーダーに対するイメージについて質問したところ、「リーダーシップが求められそう」が46.8%でトップでした。続いて「成長できそう」(39.6%)、「やりがいがありそう」(38.7%)となりました。
他業種と比較すると、「成長できそう」「やりがいがありそう」といったポジティブな項目の割合が卸売業・小売業の新入社員で高く、「難しそう」「ストレスが多そう」「大変そう、辛そう」などのネガティブ項目の割合は低い傾向が見られました。

3. 勤続意向:「できれば今の会社で働き続けたい」が約7割
現在の会社で働き続けたいかという勤続意向については、「できれば今の会社で働き続けたい」が68.5%で最多でした。他業種と比較して2.4ポイント高く、「そのうち転職したい」は2.0ポイント低く、卸売業・小売業の新入社員は他業種に比べて勤続意向がやや高いことが示されました。

働き続けたい条件としては、「職場の人間関係が良い」(68.9%)と「高い給与・賞与をもらえる」(63.1%)がともに6割を超え、二大トップでした。また、「業績が安定している」も39.2%で、他業種より9.0ポイント高い結果となりました。一方で、「仕事を通じて成長できる」は24.3%で、他業種より7.7ポイント低くなっています。

4. 成長に必要なもの:「成功体験」「失敗体験」を重視
自分が成長するために必要だと思うものについては、「仕事を通じた成功体験」が65.3%、「仕事を通じた失敗体験」が63.5%と、両者が6割以上を占めました。「仕事を通じた失敗体験」は他業種より5.8ポイント高い結果です。一方で、「上司や先輩からの事後のフィードバック」(49.1%)や「振り返りの習慣」(36.5%)は、他業種より低い割合でした。

5. 理想の上司:「間違いを指摘して正してくれる」がトップ
自分のキャリアアップにつながる理想の上司像として、「間違いを指摘して正してくれる」が57.7%でトップでした。次いで「具体的に手順を細かく教えてくれる」(46.4%)、「仕事やキャリアの悩みを相談できる」(38.7%)が続きました。

6. 今後やりたい仕事:「楽しくてやりがいのある仕事」がトップ
今後どのような仕事をしていきたいかという質問では、「楽しくてやりがいのある仕事」が68.0%でトップでした。他業種と比較すると、「専門的なスキル・知識が求められる仕事」(8.6%)、「チーム一丸となって取り組む仕事」(22.1%)、「自身の成長につながる仕事」(29.3%)が低い傾向にありました。

7. 主体的に取り組みたい行動:「自分で目標を立てて行動する」がトップ
自ら進んで取り組みたい行動として、「自分で目標を立てて行動する」が45.0%でトップでした。また、「周囲の状況を見て、指示がなくても行動する」は42.3%で他業種より9.5ポイント高い結果です。一方で、「自分の成長のために学び続ける」は14.9%で、他業種より8.9ポイント低くなりました。

8. これから評価してもらいたいこと:「取り組み姿勢」がトップ
今後どのようなことで評価されたいかについては、「取り組み姿勢(努力・頑張り・素直さ)」が63.1%で最も多く、他業種に比べて7.1ポイント高い結果でした。次いで「成果(売上・業績・数字などの結果)」(43.7%)、「自分の成長(スキルアップ・知識習得)」(37.8%)が続きました。他業種では「自分の成長」が2位でした。

まとめと考察:AI時代における新入社員の成長とキャリア形成
今回の調査から、2026年度の卸売業・小売業の新入社員は「安定志向」と「実務体験を通じた学び重視」という価値観を持っていることが明らかになりました。キャリア志向は「管理職志向」の低下と「キャリア未定」の増加という二極化が進んでいます。これは、DXやAIの進展により、社員やリーダーに求められる役割が変化し、入社前の段階で将来のキャリアを具体的に思い描くことが難しくなっているため、まずは実際の業務経験を積みながら方向性を見極めたいと考える新入社員が増えていると推察されます。
一方で、リーダーに対してはポジティブなイメージを持ち、勤続意向も高い傾向にあります。成長に必要な要素として「成功体験」や「失敗体験」を重視するものの、「フィードバック」や「振り返り」の重要度は相対的に低めでした。しかし、理想の上司像として「間違いを指摘して正してくれる」「具体的に手順を細かく教えてくれる」といった指導力を求める項目が高く、「育ててほしい」というニーズが一定以上あることがうかがえます。
ALL DIFFERENT株式会社の組織開発コンサルティング本部 東京コンサルティング事業部 事業部長(卸小売・不動産業グループ)である大槻 泰二郎氏は、この結果を踏まえ、新入社員の成長とキャリア形成を支援する仕組みを企業側が整えることの重要性を指摘しています。

特に、卸売業・小売業では専門スキルの習得に偏りがちな育成が多いですが、変化の激しい時代においては、思考力、コミュニケーション力、関係構築力、ビジョンを描く力といった「バイタルスキル®」(成長・成果に不可欠なビジネスにおける根幹スキル)の育成が個人の成長スピードやキャリア形成の質、ひいては組織全体の競争力を大きく左右すると述べています。新入社員の時期からリーダーとして活躍するために必要な中核スキルを段階的に育てる視点が不可欠であるとの見解を示しています。
調査概要
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調査対象者: ALL DIFFERENT株式会社が提供する新入社員研修に参加した2026年度入社の新入社員
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調査時期: 2026年3月24日~5月6日
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調査方法: Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
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サンプル数: 3,849人(うち、卸売業・小売業 222人)
本調査を引用する際は【ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員調査2026(卸売業・小売業編)」】と明記してください。
ラーニングイノベーション総合研究所について
「人と組織の未来創り®」に関する様々な調査・研究活動を行う研究機関です。データに基づいた組織開発に関する解決策を提供しています。

ALL DIFFERENT株式会社について
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会社概要
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代表取締役社長: 眞﨑 大輔
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本社所在地: 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F
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支社: 中部支社、関西支社
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人員数: 333人(2026年4月1日時点)
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事業: 組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施
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