東陽テクニカ、IQM社製量子コンピューター「IQM Radiance」の導入を決定

東陽テクニカ、IQM社製量子コンピューター「IQM Radiance」の導入を決定

株式会社東陽テクニカは、量子コンピューターをグローバルに展開するIQM Quantum Computers(以下、IQM社)製の超電導型量子コンピューター「IQM Radiance(アイキューエム・ラディアンス)」の導入を決定し、発注しました。

日本においてIQM社製の量子コンピューターが導入されるのは今回が初めてとなります。東陽テクニカは、この導入を通じて量子コンピューターの販売促進だけでなく、研究用途でのユースケース開発、クラウドサービスを含む利用機会の拡大、そして実機を用いた人材育成など、日本の量子技術の社会実装に貢献していく方針です。

IQM社のロゴがあるハイテクな機械の前で、2人の男性が笑顔で握手をしている様子

背景と導入の概要

東陽テクニカは、2025年7月にIQM社と国内販売代理店契約を締結し、量子ソリューション事業に参入しました。量子技術の社会実装を目指す中で、量子コンピューターの利用を検討する顧客からは、導入前の実機による実証、HPC(High Performance Computing:高性能計算)との統合研究、課金制クラウド利用、実機によるアルゴリズム開発や人材育成といった多様なニーズが寄せられていました。

これらのニーズに応えるため、東陽テクニカは実証実験に利用可能な20量子ビットのハイエンド拡張モデル「IQM Radiance20」の導入を決定しました。このシステムは、オンプレミスとクラウドの両環境で利用できるよう展開される予定です。IQM社との売買契約は2026年4月に締結され、発注も完了しており、2026年末までに納品される見込みです。

今回の導入に関して、両社のCEOは以下のコメントを発表しています。

IQM Quantum Computers CEO Jan Goetz氏:
「量子技術の真価はインフラを自社で運用し、成長させることで発揮されます。世界のリーディングカンパニーはこの方向で取り組んでおり、東陽テクニカが実機を導入することは、日本の量子戦略の実現に向けた重要な一歩です。IQM社の先進的な量子コンピューティング技術を基盤に、日本の量子分野の発展に貢献します。」

株式会社東陽テクニカ 代表取締役 社長執行役員 高野 俊也氏:
「量子分野はこれからの経済成長、特に新しい『ものづくり日本』には必須の技術戦略分野です。理論や研究段階から、既にHPCとの融合、ユースケース開発、ビジネス人材育成などの実用化競争が始まっています。量子技術をいち早く日本の産業界に普及させるため、IQM社の協力を得て、世界に先駆けた社会実装を推進します。」

日本政府は、2030年までに「量子技術の国内利用者1,000万人」「量子技術による生産額50兆円」といった目標を「量子未来社会ビジョン」※1で掲げています。

※1 内閣府「量子未来社会ビジョン」2022年4月22日
https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/ryoshi_gaiyo_print.pdf

超電導型量子コンピューター「IQM Radiance20」の主な仕様

「IQM Radiance20」の主な仕様は以下の通りです。

製品名 超電導型量子コンピューター 「IQM Radiance20」
量子ビット 20
底面サイズ (cm) 126 x 453
最低天井高 (cm) 290
最小荷重耐容量 (kg/m2) 1000
平均総電気消費量(kW) 24

製品の詳細については、東陽テクニカのWebサイトで確認できます。
https://www.toyo.co.jp/quantum/products/detail/radiance

白とシルバーを基調とした、モダンで未来的なデザインの量子コンピューターまたは先進的な科学機器が、白い背景に配置されています

東陽テクニカの量子ソリューション事業

東陽テクニカは、長年にわたり幅広い先端技術分野で計測ソリューションを提供してきた実績を活かし、2025年7月にIQM社と販売代理店契約を締結し、量子ソリューション事業に参入しました。量子コンピューターは、材料開発、自動運転開発、防衛、創薬、環境工学など、従来のコンピューターでは困難な複雑かつ膨大な計算を実行できる次世代技術として注目されています。

同社は量子コンピューターだけでなく、量子センシング分野も強化しています。2026年2月には、ダイヤモンド量子センサーが発する微弱光を検出する高感度イメージングカメラを製造・販売する英国のRaptor Photonics Limitedと販売代理店契約を締結しました。

また、量子人材の育成にも力を入れています。2025年12月からは、一般社団法人日本量子コンピューティング協会が実施する「量子ジェネラリスト講座」検定について、学生と教員の受験費用を全額負担する制度を開始しました。さらに、2026年4月には、スイスのQZabre AGと販売代理店契約を締結し、量子教育キット「Quantum Edukit」の販売を開始しています。

このように、東陽テクニカは量子コンピューター、量子センシング、量子人材育成の三つの側面から量子技術の社会実装を推進しています。

株式会社東陽テクニカのWebサイト:
https://www.toyo.co.jp/