マクニカとミソラコネクト、産業IoT機器向け「チップSIM」の共同提供を開始

背景

IoT市場の拡大に伴い、スマートフォンだけでなく、多様なIoTデバイスにおけるモバイル通信の需要が高まっています。特にモビリティ分野や産業機器、屋外設置型の各種メーターや端末など、コネクテッドデバイスが活用される現場は多岐にわたります。

これらの領域では、これまで物理SIMをデバイスに挿入し、モバイルネットワークを利用してセルラー通信を行う方式が主流でした。しかし、産業IoT機器には、高温・低温、強い振動、屋外での長期使用といった厳しい環境条件や運用要件への対応が求められます。加えて、デバイスの小型化や高密度実装が進む中で、物理SIMスロットの搭載スペースが設計上の制約となることや、SIMの挿入・交換・設定に伴う運用負荷、盗難や不正利用のリスクといった課題がありました。このような背景から、インダストリアルグレードの「チップSIM(半導体型)」の活用が注目されています。

「チップSIM」の特長

両社が提供する「チップSIM」は、IoTデバイスの基板に直接はんだ実装するMFF2サイズ(5mm x 6mm)で、高い耐環境性と信頼性を確保しつつ、設計および運用負荷の低減を両立します。本製品は、-40℃から+105℃の広い動作温度範囲に対応し、インダストリアルグレードの振動・衝撃耐性を備えているため、過酷な産業用途環境でも安定した通信を可能にします。基板へ直接実装する構造により、温度変化や振動、水分の影響を受けにくく、製品全体の耐久性と通信接続の信頼性を大幅に向上させることが期待されます。

また、耐タンパー性を備えることで、物理SIMの抜き取りによるセキュリティリスクを最小限に抑制します。物理SIMスロットが不要になるため、デバイスの小型化や高密度実装にも貢献します。

両社の取り組み

マクニカが有する半導体の物流および技術ノウハウを活かした「半導体品質のサポート体制」と、ミソラコネクトが提供する「柔軟な通信プラン」を組み合わせることで、産業IoT機器の製造業をはじめとする顧客の用途や運用に応じた最適な通信・デバイス導入環境が提供されます。通信データ量や頻度、利用用途に応じて適切な通信プランが提案されるため、コスト最適化の実現が可能となります。

特に、幅広い温度環境や振動への対応が求められる産業デバイスや、製造から出荷後まで長期間にわたり安定稼働が求められるプロジェクトにおいては、品質管理・技術サポートの知見に基づくデバイス実装段階からの技術支援と、通信回線の設計・契約・運用を一体で提供できる通信サービスを組み合わせることにより、初期の仕様検討や評価、量産立ち上げ、出荷後の通信運用までを一貫して支援することが可能です。これにより、各フェーズにおける手戻りや運用負荷が抑制され、製品開発からサービス運用に至るまでのプロセス全体が、より安心かつスムーズに進むことが期待されます。

今後について

将来的には、SGP.32に準拠したリモートプロビジョニング(RSP)機能への対応も検討されています。これにより、遠隔からのプロファイル切り替えや更新が可能となり、導入後の通信キャリア変更や管理プロセスを大幅に簡素化するでしょう。

マクニカおよびミソラコネクトは、両社の強みを生かしたパートナーシップにより、産業IoTを軸に最新の通信技術をより使いやすく提供することで、多くの顧客のビジネス課題解決とイノベーションの創出を目指します。