RoomClip住文化研究所、家庭における花の楽しみ方トレンドを分析 – 6年で投稿2倍、日常に溶け込む「一輪挿し」や「ショート丈」が台頭

レポート発表の背景

農林水産省は、花き産業の需要拡大を目指し「ジャパンフラワー強化プロジェクト」を推進しており、特に家庭で花を楽しむ「ホームユース」の拡大が重要なテーマとされています。近年、新型コロナウイルス感染症の影響による生活スタイルの変化を契機に、住まいの中で自然や季節を取り入れる暮らし方への関心が高まっています。中でも花は、手軽に季節感や彩りを取り入れられる存在として注目され、生活者の間で日常的に楽しむ文化が広がりつつあります。

RoomClip住文化研究所の分析では、住まいにおける「花」の取り入れ方の変化が調査され、「花のある暮らし」に対する関心の高まりと、日常的に季節を楽しむ生活者の増加が明らかになっています。本レポートでは、投稿データやユーザーの実例から、現代の生活者が生み出した「花の新しい楽しみ方」と、そこから見えてくる住まいと暮らしの価値観の変化を分析しています。

レポートの全文は以下のリンクから確認できます。
https://lab.roomclip.jp/contents/flower/

主なトピックス

1. 「花のある暮らし」投稿が2018年比で約2倍に増加

RoomClipの投稿データを分析した結果、「花のある暮らし」を含むキーワードの投稿者率は年々増加しており、2018年と2024年を比較すると約2倍に増加していることが判明しました。

グラフ:花のある暮らしを含むキーワードの投稿者率

2. データで見る「花のある暮らし」の変化

RoomClipに投稿された画像の定量・目視調査に基づき、「花飾り」の空間やスタイルを分析すると、近年大きく伸びている「3つのトレンド要素」が見えてきます。

  • 飾り方の変化:手軽な「一輪挿し」と「ショート丈」の台頭
    2020年には20%台だったショート丈の割合が2024年には約45%にまで大きく伸び、ミドル丈に並ぶ勢いです。一輪挿しも全体の34.6%を占め、手軽に生活に花を取り入れやすい形式が現在の確固たるトレンドとして定着しています。

  • 花材とスタイルの変化:「韓国インテリア」と「枝物」の定着
    ここ数年で「韓国インテリア」の投稿が急増し、白やベージュを基調とした空間に黄色のチューリップなどを合わせるスタイルが流行しました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに人気が高まった「枝物」は、花材全体の13%を占めるまでに定着し、花材別ランキングでも上位5種のうち3種を占めています。

  • 飾る場所が「LDK」から「ディスプレイコーナー」へ広がる
    設置場所のトップ3はダイニング(20.0%)、リビング(18.8%)、キッチン(18.2%)で、依然としてLDKが中心です。一方で近年急伸しているのが「ディスプレイコーナー」です。テレビ横やキッチンカウンターの空きスペース、玄関ニッチなどを“見せるスペース”として活用するユーザーが増加しており、「ディスプレイスペース/ディスプレイコーナー」を含むタグは2019年比で3.36倍に増加しています。

総括・考察

RoomClipの投稿データやユーザーアンケートの分析から、花は特別なイベントのためのものだけでなく、日常の暮らしの中で楽しむ存在として定着しつつあることが明らかになっています。特に若年層を中心に、「花のある暮らし」は住空間の中へ着実に浸透しており、インテリアの一部として季節感や彩りを取り入れる手段として支持されています。

一方で、花を飾ることに対しては「飾り方が難しい」「手入れが大変」「長く楽しめない」といった心理的・実用的なハードルが依然として存在します。また、近年はペットと暮らす家庭の増加など、住環境の変化によって花の取り入れ方にも配慮が求められる場面が増えています。

今後は、花をより手軽に取り入れられる飾り方の提案や、長く楽しむための工夫、ペットとの共生や手入れ負担の軽減といった生活者視点の課題に応えるアプローチが重要になると考えられます。こうした提案を通じて、家庭内で花を楽しむ「ホームユース」の広がりが、さらなる需要拡大の鍵になると期待されます。

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