SaaS価格改定における顧客離反要因は「金額」ではなく「伝え方」にあり、ネクサフローの調査で判明

調査背景

2025年には、主要なSaaSサービスが相次いで価格改定を実施しました。SaaS事業者にとって価格改定は収益改善の重要な手段ですが、同時に顧客離反のリスクも伴います。多くの事業者が「値上げ幅を抑えれば解約は防げる」と考えている中で、株式会社ネクサフローは、顧客が本当に解約を決定づける要因が金額にあるのか、それとも別の要素にあるのかを明らかにするため、本調査を実施しました。

調査概要

本調査は、SaaS価格改定に不満を持った経験のある法人利用者または個人事業主65名を対象に、2026年2月4日にインターネットアンケート形式で実施されました。調査項目には、対象SaaSサービス名、価格改定の時期と内容、通知方法、不満理由、不満度、価格改定後の行動(解約など)、具体的なエピソードが含まれています。

SaaS値上げの実態と不満の核心

7割が「月額/年額の値上げ」を経験

回答者が経験した価格改定の内容で最も多かったのは「月額/年額料金の値上げ」で69.2%でした。次いで「既存プランの廃止・統合」および「ユーザー単価の変更」がそれぞれ18.5%となっています。

経験した価格改定の内容

不満の第一位は「説明不足」

価格改定に不満を感じた理由を複数回答で尋ねたところ、「値上げの理由・根拠の説明が不十分だった」が46.2%で最も多く、次いで「値上げ幅が大きすぎた(金額への不満)」が38.5%、「通知が遅すぎた/突然だった」が29.2%でした。

この結果から、「説明不足」「通知方法が不適切」「タイミングが遅い」といった「伝え方」に関する問題が、金額そのものへの不満を上回る主要な不満要因であることが明らかになりました。

価格改定に不満を感じた理由

怒りの強さと解約率の乖離

不満理由別に「かなり不満」以上と回答した割合(高不満以上率)を見ると、金額への不満が68.0%と最も高い「怒り」を示しました。一方で、「伝え方」に関する不満は31.6%から62.5%と、金額への不満よりも低い水準でした。

不満理由別の不満度分布

しかし、不満理由別の解約検討率および実解約率を比較すると、状況は逆転します。金額不満の実解約率が8.0%に留まったのに対し、「伝え方」の問題に分類される理由は、実解約率が20.0%から37.5%に達し、金額不満の最大4.7倍となりました。

不満理由別の解約検討率

不満理由別の実解約率

この結果は、金額への不満は強い怒りを引き起こすものの、実際の解約行動にはつながりにくい一方で、「伝え方」の問題は怒りこそ穏やかでも、静かに顧客を解約へと導くことを示唆しています。

SaaS事業者が取るべき3つの行動

本調査結果に基づき、SaaS事業者が価格改定時に解約リスクを低減するために取り組むべき3つのポイントが提示されています。

  1. 説明の質を上げる: 「品質向上のため」といった抽象的な説明ではなく、具体的に何がどのように改善されるのかを明確に説明することが重要です。
  2. 適切なチャネルで確実に届ける: メール一通で済ませるのではなく、複数チャネルを活用し、顧客に確実に通知を届ける工夫が必要です。特に、請求時に初めて値上げを知るような事態は避けるべきです。
  3. 十分なリードタイムを確保する: 最低でも数ヶ月前には事前告知を行い、顧客が準備期間を持てるようにすることで、不信感の発生を防ぎ、解約防止に繋がります。

調査レポート詳細

本プレスリリースでは調査結果の一部が紹介されています。より詳細な分析を含む調査レポート全文は、以下のリンクから無料でダウンロード可能です。

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また、本調査に関する詳細記事も公開されています。

本調査に関する詳細記事

株式会社ネクサフローについて

株式会社ネクサフローは、2023年10月に設立され、東京都中央区に本社を置く企業です。「収益向上」をテーマに、プライシングを含む各種コンサルティングサービスと自社プロダクトを提供しています。詳細は以下のURLをご覧ください。

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